しもで木材天然乾燥場

天然乾燥倉庫のメリット

前回の書き残しの欠点のお話

一つ目は、ヤニ

ヤニとは油分(色艶や香りの元)

桧の持つ最高の長所は、最大の欠点になっちゃうんです(/_;)

なぜ?

市場で競りにかけて、すぐに売れて、そのまま現場で使って頂ければ何の問題もないんですが、そんなに上手く行くはずも無く、1回競りで売れずに元落ちすれば、1月後の市まで林場で過ごすことになります。

すぐに売れても、全部使ってもらえなかったら、残りは在庫となります。

流通に流す際、シュリンクと呼ばれるビニールでラッピングして出荷するため、重ねた部分にヤニが噴いて酷いとくっついたりします。

桧から出たヤニ
桧から出たヤニ

注文を受けてすぐ出荷できるわけではないですが、この倉庫が出来たおかげで、現場で要る分だけを注文いただければ、雨が降っていようとすぐに加工に移れます。

このサイクルで行けば、ヤニの欠点は省かれ、桧の長所だけが残ります。

余分な仕入れが無く、最高の状態の物が届くのなら、シュリンクというビニールも要らなくなるかな?

 

二つ目は、経費の削減

人工乾燥機で乾燥させようと思うと、燃料を焚いてボイラーを回します。

燃料代もバカにならない位高いですし、まだまだ上がってます。

そしてウチの工場には、乾燥機が無いため、ウッドピアの共同乾燥場を利用しています。

ウッドピアの共同乾燥場は、木焚きボイラーなので、燃料は木の皮や端材など製材の要らないもの。

でも、24時間焚き続けるので、人件費も要りますし、木の皮など燃やすものが無くなれば、軽油を燃やします。

燃料の高騰で乾燥代は上がり、当然共同乾燥まで移動しなくてはいけないので、トラックの運賃も加算されます。

全部の製品をすぐに天然乾燥に変えるのは難しいですが、徐々に変換していきたいと思います。

そして、1mの腰板は、値段も安いし天然乾燥にしようと、倉庫を建てる前から雨に当たらないように保管。

今回、4カ月ほど経ち加工してみて驚きました。

こんなに色が違うかなと思うほど辺材の色が違う。

桧の壁板の人工乾燥と天然乾燥の比較。左、人工乾燥。右、天然乾燥。
桧の壁板の人工乾燥と天然乾燥の比較。左、人工乾燥。右、天然乾燥。

並べてみると、左はアテ(欠点の名称)でしょって思うほどの違い。

分かり難いかな(;^ω^)

15㎜ほどの薄い板を75度位で乾燥するので辺材は少し焼けるのかな~?

今までそれほど気にしてなかったですが、比べてみれば一目瞭然👀

天然乾燥の良さを改めて感じました。

又市場で、

「そんなの関係ないよ」

って言われちゃうのかな(;一_一)

心穏やかに

過ごせますように